ここがスゴイぞ!徳山下松港

徳山下松港は、新南陽・徳山・下松・光の4地区に分かれており、各地区には日本を代表する大企業の工場などが立地しています。基礎素材や鉄鋼、鉄道車両、医薬品など、多様な製品を作る製造業が集積しており、中でも新南陽・徳山地区は、日本のものづくり産業の素材供給拠点として重要な役割を担っています。
取扱貨物は、塩・石炭・石灰石などの鉱産品と、セメント・化学薬品などの化学工業品が全体の85%を占めており、工業港としての姿を強く反映しています。
徳山下松港は、水深-12mのコンテナターミナルやガントリークレーン、県内最大級の水深-14m岸壁も備えており、韓国・中国・東南アジアなどの外貿コンテナ定期航路も多数就航しており、近年コンテナ貨物の取扱量も増加しています。 山陽自動車道へのアクセスも良好で、JR貨物・新南陽駅もあり、西日本各地への陸上輸送、内航船による海上輸送に対応し、物流拠点として、周南地域の産業を支えています。

日本のものづくり産業を支える、縁の下の力持ち!

港湾取扱貨物量県内第1

2019年(令和元年)の取扱量は約5,079万トンに上ります。
これは県内港湾合計の半分近く(43.9%)を占めています。

【出典】山口県港湾課「令和元年港湾別取扱貨物量の推移」

港湾区域(水域)全国第5

14,985ha

1位
千葉(千葉県)
2位
中城湾(沖縄県)
3位
金武湾(沖縄県)
4位
北九州(福岡県)

【出典】国土交通省港湾局総務課調べ(2020年4月1日現在)

原塩輸入量全国第1

約250万トン

周南コンビナートは、塩を電気で分解して、苛性ソーダ・塩素・水素を生産する「電解コンビナート」です。 原料となる塩の輸入量は、国内で1年間に食用として消費する塩(約79万トン/年)の3倍以上、また家庭や飲食店等で消費する塩(約13万トン/年)の20倍近くで、主にオーストラリアやメキシコから輸入しています。 苛性ソーダを生産する大手化学メーカーにはうず高く積まれた塩山があります。

【出典】国土交通省HP「港湾統計 第3表 海上出入貨物表(2)品種別都道府県別表(輸移出入)〈令和元年(2019年)〉」
山口県港湾課HP「令和元年港湾取扱貨物(82品目)」

石炭輸入量全国第3

約817万トン

周南コンビナートは、塩を電気で分解して、苛性ソーダ・塩素・水素を生産する「電解コンビナート」です。 塩の電気分解には大量の電気が必要になるため、苛性ソーダを生産する大手化学メーカーは石炭火力発電設備を自ら整備しています。 その自家発電設備の規模は約153万kW(建設中30万kWを含む)で、中国5県の一般家庭の電力を賄うことができるほどの能力です。

【出典】国土交通省「令和元年港湾統計(港湾取扱貨物量等の現況)」
社団法人火力原子力発電技術協会「火力々原子力発電所設備要覧平成23年度改訂版」及び大手化学メーカー各社公表資料

石炭移出量全国第1

約346万トン

西日本一円に立地する火力発電所や工場への石炭供給拠点として重要な役割を担っています。

【出典】国土交通省HP「港湾統計 第3表 海上出入貨物表(2)品種別都道府県別表(輸移出入)〈令和元年(2019年)〉」
山口県港湾課HP「令和元年港湾取扱貨物(82品目)」

石灰石移入量全国第1

約693万トン

【出典】国土交通省「令和元年港湾統計(港湾取扱貨物量等の現況)」

セメント移出量全国第2

約388万トン

【出典】国土交通省「令和元年港湾統計(港湾取扱貨物量等の現況)」

石灰石を主原料として、廃棄物や副産物を使いながらセメントを製造しています。

化学薬品移出量全国第1

約371万トン

【出典】国土交通省HP「港湾統計 第3表 海上出入貨物表(2)品種別都道府県別表(輸移出入)〈令和元年(2019年)〉」
山口県港湾課HP「令和元年港湾取扱貨物(82品目)」

化学薬品輸出量全国第4

約138万トン

【出典】国土交通省「令和元年港湾統計(港湾取扱貨物量等の現況)」

鉄道車両移出量全国第1

約6万トン

【出典】国土交通省HP「港湾統計 第3表 海上出入貨物表(2)品種別都道府県別表(輸移出入)〈令和元年(2019年)〉」
山口県港湾課HP「令和元年港湾取扱貨物(82品目)」

徳山下松港の目指すべき姿

■2050年の徳山下松港カーボンニュートラル(*1)ポート形成に向けて

2020年10月、日本政府が発表した「2050年カーボンニュートラル宣言」では、2050年までに脱炭素社会を実現し、温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目標としています。
令和3年2月、国土交通省中国地方整備局と山口県は、国際物流の結節点かつ産業拠点である徳山下松港において、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化等を通じて「カーボンニュートラルポート」を形成するため、検討会を開催し、新たなエネルギー供給拠点港として目指すべき姿、取組の方向性などについて協議されました。
CO2フリーのエネルギー源として期待される水素・アンモニア等の将来の大量利用を見据え、当面のベースエネルギー(石炭)やバイオマスの取扱の増加も視野に入れ、「エネルギーミックス及びCCUS(*2)の取組推進によるカーボンニュートラルの実現」、また2030 年、2050 年を見据え、「西日本エリアのエネルギー供給拠点港としての進化」を目指すべき姿とし、将来に向けた検討が行われています。

*1. 温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること。
*2. Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略。分離・貯留したCO2を利用しようというもの。

【出典】令和3年3月8日開催 国土交通省・港湾局 交通政策審議会 第81回港湾分科会 資料3